原発政策の6ですね。
原発の問題はやっぱり健康障害、つまり事故の起こったときの被曝、それによるがんとか遺伝性疾患ですね、
それの大きさにもよるわけですね。
それは今のところ、一応ですね、
一般人は1年1ミリ・シーベルト、
それから職業人が1年20ミリ・シーベルトということで
制限を置いております。
この制限というのは
長い今までの放射線を扱っている人たちの障害だとか
広島・長崎の評価だとか、
そういったもので集積されているわけですが、
不幸なことに、福島の原発事故はですね、
その大規模な人体実験みたいになってしまったわけですね。
で、ことがらがあんまり大きいので、
日本の言論の自由も学問の自由も
やや発揮されてない状況にあるんですが、
偶然にある方から福島県立医科大学の
放射線医学県民健康管理センターが出している
『第8回甲状腺検査評価部会』の資料が
手に入ったわけであります。
報告日が平成29年11月30日で、
整理をした時点は平成29年6月30日でありますから、
去年の上半期の整理ということになります。
データは、私の手元に来た資料は2枚でありますので、
この2枚の範囲でしか評価することはできないんですが、
これはおかしいんですね、
これ自体が。これあんまり時間取ると、
評価の、甲状腺がんの出ていることが明らかにならないので
短く言いますけれども、
日本は学問の自由と報道の自由があるはずなので
、福島原発においてどのくらいのがんが
出ているのかということはですね、
本当に毎日毎日報道されてもいいくらい重要なことなのに、
私の手元に初めて事故後ですね正式な報告書というのが参りました。この正式な報告書ですらちょっと疑わしいところがあるんですが、
それでもやっぱり
無いよりか良いと、
日本は報道の自由があるとか言ってますけど全くダメだ
ということがわかりますね。
それは、事故後ですね、
新聞記者が一斉に福島から退避して3カ月経ったあとで
福島に入って行ったっていうことすら隠されているわけですから、
本当に日本の報道機関というのは報道人の魂というものを
既に失っているということがわかると思いますし、
これに関しては、
医学界及び原子力学界は何してるんだと僕なんか先輩としてですね、しっかりしろと言いたいわけですね。 学問の自由をやっぱりちゃんと守れと言いたいわけですが、
一応内容の解析に進みたいと思いますが、
対象者はですね、子供ですね。
子供で、区分は非難区域の人たちが4万9000名くらい、
それから中通り地区、
これが20万7000人、
それから浜通り地区、これが7300人
【mespesado注:7万3000人の誤りか。でないと合計が合わない】、
れから会津地区が5万2000名で、
合計38万人です。
これは対象者がそれくらいいる、
子供がそれくらいいるってことですね。
その内27万人が受けておりますので8割くらいですかね、
みんな受けたと。
それで平均年齢はですね、
大体被災時に7歳から8歳の子供たちを対象にして測定して、
あ、測定したんじゃなくて、
被災した時に、約3年後の11歳のときに検査をしておりますね。
11歳~12歳の時に検査してます。
ですから大体小学校の4年生くらいのときに被曝して、
中学校に入ったくらいか、
小学校の高学年6年生くらいで検査を受けてると、
こういうことになりまして、
男女はほぼ一対一ですね。
女性が49%ですので、ほぼ人口と同じだと思います。
それで、B・C判定っていうですね、
やや疑わしいけど大丈夫だろう、
というのが合計で2227名おりますが、
これについてはちょっといろいろ難しい問題がありますので
さておきまして、悪性ないし悪性の疑いのある人たち、
本当に可哀そうですが、この子供たちですね、
それについて解析を行ってみますとですね、
合計してですね、
悪性もしくは悪性の疑いのものっていうのがですね、
全部で71名、ここでは報告されております。
これは検査の時期とかそういうのがありますので、
毎年検査をしなきゃいけませんし、
それからチェルノブイリの前まではですね、
ヨウ素による甲状腺がんっていうのが、
悪性のがんですね、
それは一時的なものだと思われていましたけれども、
チェルノブイリの疾病例を見ますと、
20年くらい看視しなきゃいけないという感じなんで、
これはまあ3年目くらいのときの
一つの例としてわかるという感じですが、
これを、検査をした人の数もありますので、
大体10万人当たりどのくらい出てるかっていうとですね、
やっぱり避難地域が圧倒的に多くて10万人当たり49名、
約50名ですね。
それから福島市とか二本松、郡山あたりがある中通り地区では、
ちょうど半分の25名、
それから浜通りのところで風を受けなかった所ですね、
これは太平洋岸の方には放射性物質は流れなかったって
こともあるんでしょうけれども、ここが20名、
まあほぼ同じですけどね、で、会津地区はかなり少なくて15名、
ということで、まず一つは避難地域が非常に多いってことですね、
会津地域に比べて3.2倍くらいの比率になっておりまして、
やっぱりこれは明らかに、被曝したら悪性ないし悪性扱いの患者に
なるということを示しておりまして、
それからその次に被曝されたのがおそらく中通りだろうと、
だから25名、
それから浜通りが20名、
で会津が15名ということになっていると考えられます。
ですから今回は会津地区を基準にしますと、避難地域は3.何倍もの子供が甲状腺の悪性もしくは悪性扱いの症状になったと。それから中通りが2倍
弱、浜通りは3割強くらい、という感じなんですね。
これで、まず一つはここでの結論はですね、やっぱり可哀そうだったと、
やっぱり1年1ミリ・シーベルトを守って逃げさせておけばですね、この人
たちは悪性もしくは悪性扱いの甲状腺がんにならなかったんだろうというこ
とで、私たち大人は非常に心が痛いわけであります。
そして次にですね、いったいこれは他の所に比べてどうなんだという、他
の所のデータがちょっと出てないんですね。全く被曝していないような地域
を参考にしていただきたいわけですが、従来は10万人当たり1人とか2人
とか言われてたんですよ。もしもそうだったらですね、少し多めに見て10
万人当たり3人としてもですね、避難地域は15倍とか、中通りは8倍とか
いうことになるんですが、ちょっとそれも多い、過大評価かなと思ったりも
します。というのは、甲状腺がんのそういった検査というのはあまりないん
ですね。ただ、ここで政策上の問題はですね、原発に反対の人はこれを大げ
さに言い、原発に賛成の人は大したことないじゃないかって言うのが困るん
ですよ。これは患者の問題だから、科学の問題ですよ。医学・科学の問題で
すから、思想に関係なく一人ひとりの人が自分の思想に関係なくこのデータ
を見て欲しいと思うんですね。避難地域は49名、中通り地区が26名、浜
通り地区が20名、会津地区が16名っていう現実をそのまままずは認める
と。それから議論を開始すると。また、是非この機会にですね、医師の方は、
医学界の方は、是非こういうデータを次から次と出していただき、それをメ
ディアはどんどん報道してですね、私たちは真正面から福島の現実はどうい
うもんだったのかということを考える必要があるだろうと思います。ちなみ
にこの表にはですね、個別の被曝量は出ておりません。なぜ出ていないかっ
て言ったら測定してないからだと思います。
587 名前:mespesado
【武田邦彦】原発政策6:福島のがん【2018年8月25日】
http://takedanet.com/archives/1072376251.html
2018/08/26 (Sun) 11:01:10
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